世界中がコロナに震撼されています。
まさにパンデミック。2020年3月11日に、WHOはそう定義しました。
自分が生きている間にこんなにも世界中の人々が悲しみ、恐れる出来事が起こるなんて思ってもみませんでした。
中国の武漢から広まったウイルス。
今や世界全体でみると感染者は100万人を超え、死者は5万人を上回ります。(2020.04.03時点)
東京オリンピックも延期が決定しましたね。
イギリスに住んでいる目線からですが、これまでのイギリスの状況と今の状況を振り返りたいと思います。
目次
これまでの状況
昨年12月、コロナウイルスが世界に認知、発見されました。
それから年が明けて2月頃からだんだん日本で騒がれるようになりました。
買い占めやマスクが足りないなどの状況を友人や家族から聞きながらも、ヨーロッパではどこか他人事のような感覚だった人がほとんどだったと思います。
日本では予定されていたマラソン大会が中止になったり、買い物するのに長蛇の列、ディズニーも休園、などと身近なところで様々な影響が出ていました。
3月に入りイタリアでの死者が中国を上回るようになるとイギリスの状況も一変。他人事ではいられなくなりました。
そのころあたりからトイレットペーパーやパスタなどの一部買い占めが始まりました。
3月最初の週末に日本食材店TKトレーディングに行くと、米を求めた長蛇の列。
冗談交じりでこれTkの行列じゃないよね?と話していたら本当にそうだった。
ネットスーパーocado(オカド)を頼むと配達は1週間以上先。
3月12日、ボリス首相がコロナに対する記者会見を行います。
「多くの家庭で本来よりも早く、愛する人々を失うことになるだろう」(many more families are going to lose loved ones before their time.)というコロナの恐ろしさを表した言葉。
目指すことはコロナを封じ込めることではなく、ピークを遅らせること、ピークの高さを下げることによって苦難を最小化すること。NHS(国民医療サービス)を守ること、との声明がなされました。
15日 70歳以上や何らかの既往症がある人たちは自主隔離。
20日 パブやレストラン、映画館、ジムなどの閉鎖。
23日 学校の閉鎖。最低3週間のロックダウン開始。夫も在宅ワークが始まる。(←今ここ)
ロックダウン開始からもどんどん感染者数は増え、イギリス国内でも3万8千人が感染、3600人の死者が出ています。
チャールズ皇太子もボリス首相までも感染してしまいました。
ロックダウンという名の外出禁止令。1日1回のエクササイズは許可されていますが、今では公園も閉鎖されています。
またパスタ以外にも卵や小麦粉、生鮮食品までも買占めるpanic buying (パニックバイイング)も一時起こりました。
今はその状況は落ち着き、モノを買うことは出来つつあります。ただsocial distance(ソーシャルディスタンス)という人と2メートルの間隔をあけて過ごす(家族以外)という対策もなされており、その影響でスーパーへの入場制限もかけられ、入店するのに長蛇の列になることもあります。
アマゾンやウーバーイーツなどはありがたことに配達してくれますが、直接のやりとりではなく、玄関先に置くように頼むこともできます。
ネットスーバーも大変な需要で今やサイト内に入ることも困難です。
そんな中
イギリスはほとんどの人がこのルールを守り、街も静かで平穏です。(ルールを破ると警察が介入し、罰金が科せられる)
驚くべきことにNHSを支援するボランティアは現在、75万人に達していて、退職していた元NHS職員2万人が現場復帰したそうです。
イギリス人の強いチャリティ精神と誇りが感じられます。
また医療従事者への敬意を込めて、先日26日(木)夜8時に拍手を送ろうというイベントもなされました。車に乗っている人は車から拍手、家のベランダや窓からも拍手で、それはもうイギリス全体が一体感に溢れた夜になりました。
それから毎週木曜日の夜8時は最先端で働く人へ敬意の拍手を行うように。
さらにスーパーでは開店から1時間を医療従事者の方や高齢者の為の時間とし、世界一有名なデパート、ハロッズでもフードホール内は医療従事者に向け、50%オフで販売しています。
やることが粋ですよね。
コロナに負けず、みんなで乗り越えようという意識、また最先端で働く人の敬意や高齢者などの社会的に助けが必要な方への配慮を込めた行動がなされています。
すてきなことだなぁと思います。そして行動が早い。
今後
3月29日には保健当局高官が、イギリス国内がもとに戻るには6ヶ月ほどかかる可能性がある、と発表しています。
今後3週間ごとに見直され、状況をみて徐々に緩和していく見通しだということです。
前列にないコロナウィルス。
ただただ一日もはやい収束を願うばかりです。